Hidden Champion3
どうも、Alexです。今日は、昨日の告知の通りドイツのHidden Championの強みについて書いていきます。
Hidden Championの提唱者Hermann Simon氏によると、主な強みは7つあるようです。
(http://www.rieti.go.jp/jp/special/p_a_w/018.html)(http://www.whiteboardmag.com/hidden-champions-1-what-german-companies-can-teach-you-about-innovation/)
- Extremely Ambitious Targetes:極めて野心的な目標
- Focus and Depth:集中と深化
- Globalisation:グローバリゼーション
- Innovation:イノベーション
- Closeness to Customers and Competitive Advantages:顧客との近い距離と競争優位性
- Loyality and Highly-Qualified Employees:忠誠心と有能な従業員
- Strong Leadership:強いリーダーシップ
つまり、この7つの要素を満たしているかどうかでHidden Championであるかどうかの判断ができるわけです。
この要素を一般論として日本の中小企業に当てはめると、1〜3の要素が不十分のようです。つまり、中長期的な目標の欠落、選択と集中が不十分、グローバリゼーションの遅れですね。これらに加えて、リスク回避志向も指摘されています。これらがHidden Championと一般的な日本の中小企業の違いです。
なので、日本の中小企業としては、No.1になりうる市場と製品領域の絞り込みが重要です。結論としては、日本の中小企業の多くはHidden Championになる資質はあるものの、未だに国際化しておらず、世界における市場シェアが伸びていません。この問題は、企業文化、言語能力、大企業依存体質に由来しています(中小企業庁の報告書から)。日本の中小企業は国際化を大胆に進めることで、世界で成功できる可能性を大いに秘めています。
次回は、なぜ日本の中小企業はこのような傾向にあるのかということを分析していきます。
それでは。
Hidden Champion2
こんにちは、Alexです。今日も引き続きHidden Championの話を書いていきます。
前回のおさらい。
- Hidden Championとは有名じゃないけどスゴイ中小企業のこと。
- ドイツ人学者が使い始めました。
- Hidden Championがドイツ経済を支えている。
- 日本の中小企業のお手本になる。
ということを書きました。今日はドイツのHidden Championを具体的に分析していきます。
前回も記述しましたが、ドイツ国内におけるHidden Championは1307社が計上されています。最新のデータでは約1500社とも(日本は200社ほど)。次は、顧客特性を見ていきます。日本との違いは製造業向けBtoBの割合が小さく、業界が限定されておらずエンドユーザーに近い業界も多いです。詳しくは下のグラフを参照。
(三菱総合研究所レポートより、筆者作成、スケールはイメージ)(http://www.mri.co.jp/opinion/mreview/special/201409.html)
この記事では、日本の中小企業も製造業向けBtoBだけではなく、もっと裾野を広げていきましょうという結論になっています。ドイツのHidden Championの強みは製造業向けBtoBに偏っていないというところにもあるようです。
次回は、Hidden Championはどのような強みがあるのかを確認していきます。
それでは。
Hidden Champion
Hidden Champion(隠れたチャンピオン)とは何か。
簡単に言うと、目立たないけどスゴイ中小企業のこと。
ドイツ人経済学者のHermann Simon氏により提唱された概念で、定義は以下の3つを満たす企業のこと。(条件は随時更新されている)
- 世界シェアが3位以内もしくは大陸シェアが1位
- 売上が40億ユーロ以下、収益が50億ドル以下(諸説あり)
- 社会的に無名である
世界で2746社存在し、ドイツには1307社(47%)、日本には約200社あるようです。詳細なリストはSimon氏の著作"Hidden Champions des 21. Jahrhunderts"で公開されていると思います。一部の掲載企業はインターネット上にも掲載されていますが、全体の企業リストは見つけられませんでした。
このHidden Championの何がスゴイかと言うと、このHidden Championが好況なドイツ経済を支えているようだという分析があるからです。日本の中小企業のお手本になりうるということから話題になっています。
日本にも経済産業省が設定したGNT(グローバルニッチトップ)企業というものがありますが、若干定義が違いますので分けて考える方が良いと思います。
しばらくはこのあたりのことを書いていきます。
それでは。